2017.10.18 14:40

【71回県展 特選画廊】(7)写真「虫送り」入交貞悦(高知市)

人間の営み追い続け

 愛媛県城川町。雨の降る中、白装束をまとった虫送りの行列が田んぼと畑の間を進む。一段高い耕作放棄地に陣取り、シャッターを切った。「バックは田んぼと畑。白装束の列が行く姿をよりはっきり伝えられるのでは」と、モノクロでの出品を決めた。

 色の濃淡にもこだわった。最初のプリントは全体が濃過ぎたが、2度目は背景がうっすら見えるイメージ通りの仕上がりに。雰囲気のある作品に「雨が降って傘を差していて…。偶然が作用しています」と謙遜する。

 31歳で写真を始めた。人間の営みや生活を追い、1999年と一昨年に続く特選で無鑑査になった。「44年目でやっと卒業」と表現したが、カメラを置く気はない。「写すのが好きなんです。勉強をやめたら作品がつまらないものになる」と写真集や雑誌を手に取る。

 「写真には3回の感動がある。被写体を見て『これはいい』とシャッターを押した時。プリントをして思い通りのものができた時。そして最高の賞をもらった時」。自分の作品と会場で対面し、感動がこみ上げたそうだ。

 いりまじり・さだよし 1942年高知市生まれ。二科会写真部会員、写団バルーン会長。褒状9回。特選3回目で無鑑査。

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カテゴリー: 文化・芸能県展文化高知中央


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