2017.10.17 14:33

島草履に土佐藩志士家紋 高知市の唐岩さん 県展工芸部門

島草履を彫り込む唐岩栄一さん(高知市はりまや町1丁目)
島草履を彫り込む唐岩栄一さん(高知市はりまや町1丁目)
 脳卒中の後遺症が残る体で、精緻な島草履(ビーチサンダル)アートを作る男性がいる。高知市堺町の唐岩栄一さん(66)。今年の県展の工芸部門では、幕末の志士ら18人の名前と家紋をサンダルに刻んだ「土佐藩幕末偉人の家紋」で初入選。異色の作品は会場でも注目を集めている。

県展工芸部門の会場で異彩を放つ唐岩さんの島草履アート(高知市の「かるぽーと」)
県展工芸部門の会場で異彩を放つ唐岩さんの島草履アート(高知市の「かるぽーと」)
 2足1セットのカラフルなゴム製のサンダルに白地の家紋を3カ所彫り込んだ作品。北添佶磨(きつま)や中島信行らあまり知られていない志士も取り上げ、近づくと実に細かな彫り込みが見える。家紋と現代的なサンダルのアンバランス感が異彩を放っている。

 島草履は、沖縄でのビーチサンダルの呼称。住民が自分の物と分かるよう蚊取り線香で目印を付けたことから、文字や模様を彫って楽しむ島草履アートが広がったという。

 沖縄出身のバンド「ビギン」の大ファンだった唐岩さん。「沖縄とのつながりを持ち続けたい」と4年前に不自由な体のリハビリも兼ねて始めたのが、島草履アートだった。

 2年前から沖縄の作家が行う合宿に定期的に参加し、技能資格も取得。今は高知市で教室を月1回開いている。

 利き腕の右手にデザインカッター、まひが残る左手にピンセットを持ち、草履から動物や花の微細な模様を削り出す。コースターやキーホルダーなど多種多様な物が作れ、「贈り物に渡すと皆喜んでくれる。それが楽しい」と島草履アートのとりこになった。

 昨年から教室のメンバーと競い合って島草履を使った作品作りを始め、高知市展など県内の公募展に出品。県展は2回目の挑戦で初入選した。

 当初は大政奉還150年の節目を意識し、坂本龍馬ら志士の顔を草履に彫っていた唐岩さんだが、作品を気に入ってくれた県外客についプレゼントしてしまう。

 そこで、新たに土佐出身の志士らの家紋をテーマにした作品を構想。後藤象二郎の藤の文様をあしらった家紋など凝った意匠の彫り込みには四苦八苦したという。

 唐岩さんは「多くの人に見てもらえてうれしい。人と人をつなぎ、笑顔にしてくれるのが島草履。皆さんも制作に挑戦してほしい」と呼び掛けている。

関連記事

もっと見る

カテゴリー: 文化・芸能県展文化高知中央


ページトップへ