2017.10.12 08:57

サツキマス養殖に成功 高知市のヒワサキ 深層水利用、無投薬

深層水を活用して育てた養殖サツキマス(室戸市室戸岬町)
深層水を活用して育てた養殖サツキマス(室戸市室戸岬町)
 石油ガス卸販売の「ヒワサキ」(高知市中の島)が室戸海洋深層水を利用して、薬剤を使わず「幻の魚」とされるサツキマスの陸上養殖に取り組んでいる。全国的にも養殖事例の少ない魚種だが、今夏までに種苗149匹を成体に育て上げることに成功。同社は「2018年度には1万匹の種苗を仕入れ、本格販売を目指したい」としている。

 サツキマスはサケ科。川で一生を過ごすものはアメゴ、川から海に下り産卵のために川に戻るものがサツキマスと呼ばれる。希少性が高く、市場価格は1キロ8千円以上にもなることもある高級魚。全国的にアメゴの養殖は盛んだが、サツキマスの取り組み事例は少ないという。

 同社は「事業多角化による収益力の強化や、高知の自然を生かした地域貢献」を目的に、15年に水産養殖課を立ち上げた。県の助言もあり、市場開拓が望めるサツキマスに着目した。

 昨年9月以降、土佐郡土佐町のアメゴ養殖業者から20センチほどの種苗282匹を購入し、県海洋深層水研究所(室戸市室戸岬町)で水槽など施設の一部を借り養殖。淡水から段階的に深層水へと変えることで、天然のサツキマスと同じ環境を再現し、育ててきた。

 このうち149匹が、今年5月までに体長40~50センチほどの成体に育った。深層水の効果について、同社の酒井敦巳水産養殖課長は「アメゴに適した低水温で、病原菌が少なく、無投薬で育てることができる」と強調する。

 味についても「身は柔らかくて上品。刺し身は輸入物のサーモンと比べて脂っこくなく、天然との差もなかった」という。

 同社は今年11月に種苗4千匹を仕入れて来年5月ごろに試験販売する予定で、18年秋以降、本格的に事業展開する。

 酒井課長は「成長にばらつきがあるなどの課題解決に取り組むと同時に、都市部の飲食店に売り出していきたい」と意気込んでいる。

カテゴリー: 政治・経済高知中央


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