2017.10.12 14:30

【71回県展 特選画廊】(1)写真「勝負の世界」松木宣博(南国市)

背中に敗者の哀感

 土に手を付け、砂まみれになった肩を落とす力士。晴れやかな勝者との対比が強烈だ。

 長岡郡本山町上関の阿弥陀堂で真夏に行われた奉納相撲。夜、「飛びつき」という勝ち抜き戦があり、この後ろ姿に行き当たった。

 「暗くて、感度は12800。ノイズでざらざらなんです。でも白黒にすると粒状感がそれらしくなり、背中の砂の印象も強くなると思った」。その見せ方が高く評価された。

 普段撮るのは「人物が9割」。「うれしさや真剣さ、その人の感情が分かるようなストレートな写真です」

 幼い頃、父親が自分を撮った真四角の写真がある。暗室代わりの押し入れで汗をかきつつ、ネガを印画紙に密着させて作っていたという。「当時そうやって残してくれたのはうれしいですね」

 東京にいた学生時代は写真展によく足を運んだ。帰郷後、県展で見た全倍サイズのモノクロ写真に憧れ37年前から出品。「モノクロで特選が取れてうれしい」と笑顔を見せた。

 88歳になった父親も新聞を見て「名前が載っちゅう!」と喜んだという。

まつぎ・のぶひろ 1956年南国市生まれ。ニッコールクラブ高知東支部支部長。褒状5回。初特選。

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カテゴリー: 文化・芸能県展文化


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