2017.09.21 08:15

高知市街に10/7に映画館が開業 安藤桃子さん運営

安藤桃子さん
安藤桃子さん
 高知市在住の映画監督、安藤桃子さん(35)が、同市帯屋町1丁目のおびさんロード沿いの民間ビルに10月7日、映画館「ウイークエンドキネマM」をオープンさせる。1年余りの期間限定で約60席。月―木曜は午前中、金―日曜は終日上映し、映画文化による商店街の再興、活性化を目指している。

 桃子さんは、俳優の奥田瑛二さんとエッセイストの安藤和津さんの長女。2013年に映画「0・5ミリ」を、高知市を中心に撮影した縁で、翌年に高知市へ移住した。

映画館が新設される民間ビル。1階東側の室内で整備が進んでいる(高知市帯屋町1丁目)
映画館が新設される民間ビル。1階東側の室内で整備が進んでいる(高知市帯屋町1丁目)
 桃子さんと親交のある和建設(高知市北本町4丁目、中沢陽一社長)が、2016年秋取得したおびさんロード沿いのビルを改修し、2018年12月末までをめどに桃子さんに賃貸する。

 映画館の事業主体は桃子さんが移住後に設立した株式会社「桃山商店」。1スクリーン(約3・1メートル×1・6メートル)のミニシアターで席数は57席。内装工事を進めており、近くの大劇ビルにあった旧高知東映から譲り受けた椅子を据え、本格的な音響設備を導入するという。

 高知未上映の作品などを桃子さんが選んで配給を受け、金―日曜は各3回、月―木曜は週末とは違う作品を午前中に上映する。会員制度を設け、交流イベントの開催なども検討している。

 高知市の中心商店街は高知東宝(帯屋町1丁目)が2006年に閉館後、一般映画館が不在となっている。

 商店街関係者らと6月から構想を練ってきた桃子さんは「活性化につながるフラグ(旗)を立てたい。小さな映画祭ができるくらいのところまで行きたい」と話している。

新設する映画館の前に立つ安藤桃子さん (高知市帯屋町1丁目)
新設する映画館の前に立つ安藤桃子さん (高知市帯屋町1丁目)
安藤桃子さん4年越しの情熱 帯屋町に映画の灯再び「何かが起きる劇場に」

 高知市に10月、映画館「ウイークエンドキネマM」を新設する映画監督の安藤桃子さんは、「街中に映画館を再興したい」との4年越しの情熱を実らせた。「何かが起きる劇場にしたい」と思いを膨らませている。

 桃子さんは2013年、高知市で映画「0・5ミリ」を撮影した際、スクリーンや椅子が残る高知東映跡を見て感動、「(この映画館の)息を吹き返させたい」と願ったという。再興にも動いたが、建物の老朽化でかなわなかった。

 翌年秋、「0・5ミリ」の上映で城西公園に映画館を設営し、2カ月間に約9千人を動員した。その後も「街に映画館を」との思いは消えなかった。

 父の奥田瑛二さんが山口県下関市から映画館がなくなるのを知り、設備を借りて運営に挑戦する姿も間近で見た。「いかに命がけか。覚悟のいるアドベンチャーだけど、私も腹をくくりました」と決意を語る。

 映画最盛期の1950年代、高知市内に32館があった。映画文化の衰退と、機材購入に費用のかかるデジタル化の進行、全国各地でのシネコン誕生などで既存の映画館は消えていった。高知市の中心部にあった東映、松竹、東宝系の映画館は2006年までに閉館。イオンモールのシネコン以外で残る館は愛宕町1丁目の「あたご劇場」だけだ。

 今年6月末、民間ビルを取得した和建設の中沢陽一社長から「何かに有効活用しないか」と持ち掛けられ、桃子さんは「自分にできるのは映画しかない」と即断。おびさんロードの商店主や映画関係者らと会合を重ね、構想を練った。

 桃子さんが代表を務める会社が運営し、上映本数は月6~8本が目標。東京からゲストを呼んだり、奥田瑛二さんが活弁士を務める無声映画を上映したりする構想もある。

 「高知のお客さんが求める作品を探りながら、これぞという作品があれば上映したい」と桃子さん。「少々アバンギャルドな作品も挑戦します」と、いたずらっぽく笑った。

 おびさんロード商店街振興組合の大西みちる理事長は「映画館が街からなくなって寂しい思いをしてきた。映画のある街並みや商店街の空気をつくるよう自分たちも一緒に動きたい」と話している。

カテゴリー: 文化・芸能社会


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